2025/09/01
熊野・京都・瀬戸内海を結んだ
備前の児島・五流修験の歴史
岡山県児島にある修験道総本山「五流尊瀧院」は,平安末期に後白河法皇の信仰する新熊野神社の荘園が置かれた関係で,熊野詣に上皇を導く大役を賜り,京都の園城寺との連携で存在感を増した。こうして熊野権現を祀る長床(礼殿)が児島に継承され,また熊野の宿老五流が置かれて,児島五流が誕生する。やがて承久の乱で後鳥羽上皇の皇子冷泉宮頼仁親王が児島に流され,新たな歴史を刻むこととなった。児島五流修験は瀬戸内海一帯に広がる熊野信仰の中心的存在であり,その歴史は熊野・京都をつなぐ宗教史である。本書は豊富なイラストや写真と共に,その歴史を丁寧に解説する。
熊野・京都・瀬戸内海を結んだ 備前の児島・五流修験の歴史