内容紹介
カントはフランスの啓蒙思想家たちが,封建的な道徳や信仰の権威を打ちこわしたあと,個人や社会の善意の普遍的な基準となる道徳法則を確立した。≪純粋理性批判≫≪実践理性批判≫≪判断力批判≫は三大批判書と呼ばれ,カントの思想の中心をなすものである。それらの中で,真理,道徳,美を徹底的に追求していく。
目次(内容と構成)
カントについて ――カントとわたし――
カントにひかれて
わたしに投げかけられた問題
カント的精神はいずこへ
Ⅰ カントの住んだとき・ところ
期待された不自然 ――片すみの、東ブロイセンでの物語――
殿様の時代からフリードリヒの世紀へ
住みなれた、ケーニヒスベルク
Ⅱ 哲学研究にささげられた生涯
つつましい一市民のせがれ
わが道を行く、大学教師
思想遍歴のスケッチ
老衰とのたたかい
人間カントのおもかげ
Ⅲ 人間とは何であるか ――カント哲学が探究したもの――
批判哲学の課題
人間は何を知りうるか ――『純粋理性批判』――
人間は何をなすべきか ――『実践理性批判』――
道徳と自然との調和 ――『判断力批判』――
人間は何を望んでよろしいか ――『たんなる理性の限界内の宗教』――
『永久平和のために』
けっきょく、人間とは何であるか ――『実用的見地における人間学』――
おわりに ――カントを活かす道――
カント年譜
参考文献
さくいん