内容紹介
「自然に帰れ」と唱えたルソーは,一見ロマン主義者のような印象を与えるが,彼自身は少なくとも合理主義者だと思っていた。ルソーにとっての「自然」は,常に現実の社会批判のための概念なのである。つまり野蛮に戻ることではなく,社会の理性によって権威に引きずりまわされない人間になることをさした。
目次(内容と構成)
Ⅰ ルソーの生涯
ルソーの時代
ルソーの時代の思想状況
ルソーの人とその影響
ルソーの生涯
放浪時代
自我形成の時代
パリの時代
著作の時代
逃走の時代
ルソーの晩年
Ⅱ ルソーの思想
ルソーの求めたもの
文明批判
人間の間の不平等はいかにして生まれるか
ルソーの教育思想
自然人の形成
消極教育
子ども尊重の教育
五歳以下の子どもの教育について
家庭教育
しつけの方針
五歳から十二歳までの教育
感覚教育
十二歳から十五歳までの教育
理性の教育の時代
十五歳以後の教育
感情教育
女子の教育
女性について
理想の社会―社会契約論―
社会契約
一般思想と主権
主権について
理想の国家
年譜
参考文献
さくいん