一般書籍

新刊

田沼意次・意知父子を誰が消し去った?

海外文書から浮かび上がる人物

著者・編者 秦新二,竹之下誠一
判型 新書大判
ページ数 388ページ
定価(税込) 1,430円
ISBNコード 978-4-389-50155-6
発行年月日 2024/11/08

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内容紹介

海外資料が暴き出す歴史の真実
■徳川第10代将軍の時代、思い切った経済改革を遂行した田沼意次は、後に賄賂政治家として史上から抹殺され、子意知は暗殺された。それを画策したのは誰か?
 海外史料を35年に及んで追跡調査し、ついにその黒幕をあぶり出す!著者執念の書。

■2025年NHK大河ドラマに重要人物として登場する田沼意次は、賄賂政治家という悪者から優秀な改革者として歴史的評価が大逆転した人物。彼のさらなる歴史のミステリーを解明する! 

目次(内容と構成)

目  次

プロローグ
第一章 田沼意次の重商政策
1 徳川吉宗の治政と海外交易
大御所政治と田沼意次
長崎奉行による貿易の変革と日蘭貿易戦争
吉宗死後の長崎貿易と薩摩藩
2 田沼意次がおこなった真の政治
税制改革と郡上一揆
希代のアーカイブ・紅葉山文庫
田沼時代の始まり
賄賂にまみれた伊達重村の昇進工作
3 田沼の開国構想の始まり
オランダの動きと外洋船建造計画
ロシアの南下

第二章 田沼意次の時代を読む眼
1 田沼派の権力強化
株仲間奨励と予算制度の導入
薩摩藩の密貿易と「ハンベンゴロウ事件」
意次、老中となる
通貨政策
間接税導入
2 近代的な干拓事業と大運河建設
薬研堀と中洲の埋立
干拓の大計画と新たな舟運ルート
田沼意次と平賀源内
3 予期せぬ幕閣の動き
松平定信、白河松平家の養子となる
一橋豊千代と島津重豪の娘の婚礼

第三章 迫りくるオランダ・ロシアの開国要求
1 日本に迫る外国の脅威と幕府の動き
ロシア・オランダとの密貿易 
オランダ商館の苦悩と日本の対応
大納言徳川家基 
オランダの開国進言草案
ロシアの貿易交渉 
幕閣の動向 
2 開国を忌避する動きと家基の死
オランダの再度開国進言と家基の死
ロシア、再び通商交渉
平賀源内の死の通説と謎
源内の死の真相
工藤平助の国防策と蝦夷地調査隊
一橋豊千代、世継ぎに
3 初の国産外洋船へ
トレンペンバーグ号到着 
ティチングと久世丹後守
ティチングの来日と開国計画
三国丸 

第四章 一橋治済の確信的大陰謀
1 幻の十一代将軍徳川家基の死
家基の死に関する文書 
『森山孝盛日記』の見解 
『東海寺文書』の内容
民衆の受けとめ方とその他の史料
「フェイトの日誌」から見えること
『星月夜萬八実録』の記録
事件当日の動き
東海寺・新井宿・御殿山
裏の人間関係 
御庭番の存在 
村垣淡路守と川村壱岐守の出世
奥の人間関係 
2 家基暗殺に至るその真相
暗殺と田沼の追い落し 
一橋治済による粛清 
一橋家の家臣団 
3 影の人物・一橋治済の野望とは
一橋治済と幕閣 
家基死後の人事 
一橋家と島津家のつながり
一橋家家臣末吉利隆の動向
後桃園天皇の死
天皇をめぐる人間関係
天皇家と将軍家のつながり
一橋治済の意図 
4 田沼意知・真の暗殺者
田沼意知の死の経緯 
意知事件の状況 
暗殺の動機 
陰謀説 
意次と意知をめぐる情勢
暗殺の真相 

第五章 田沼意次から松平定信へ──権力争奪戦
1 ティチングが見た田沼意次の失脚
相次ぐ幕閣の死
将軍家治の死と田沼の没落
一橋治済の手紙
松平定信による田沼政策の否定
田沼の経済政策とは何であったのか
政権交代に対する知られざるオランダの反応
2 松平定信の反撃
定信の大老問題 
尊号事件と大御所問題
定信と朝廷
『寛政重修諸家譜』
定信の海防政策
3 黒幕・治済の策謀の終幕
一橋治済の狙い
定信と治済
定信の罷免
定信後の幕政

エピローグ
田沼意次年表
徳川家基年表
参考文献