内容紹介
京都の公卿の子として生まれた親鸞は,幼くして出家,叡山に学ぶが,教団の腐敗をみて下山,やがて法然の門に入る。そこで親鸞は法然の他力本願をさらに徹底し,悪人こそ救われるのが仏陀の有り難さであるという「悪人正機説」をたて,浄土真宗の開祖となる。その親鸞の思想と生涯は,今なお近代人の心に強く訴える。
目次(内容と構成)
Ⅰ 半生の霧
生きた親鸞を探求しよう
伝説から光が!
山を降りる
Ⅱ 斗いと思想の生涯―裏切らざる人生―
人間に会う!
人民の苦しみと専修念仏運動
法然との出会い
南都北嶺の攻撃――権力と宗教の野合――
天皇が法に背いた
伝承の大弾圧
都を追われる――越後流罪と承元の奏状――
二人の妻
師を失った孤独の中で
東国親鸞集団の誕生
生きている住蓮・安楽の書――生涯の著述『教行信証』――
体験と歴史の倫理――三願転入の告白――
果てしなき内と外との斗い
思想は弾圧にうちかつ
念仏禁圧令の嵐の中の帰郷
分裂の中の悲劇――建長の弾圧と親子の義絶――
金剛信心を守り、弾圧者のために祈れ
Ⅲ 永遠の対話―『歎異抄』―
『歎異抄』――解説――
『歎異抄』――親鸞のことばと私のこたえ――
宗教は滅び親鸞はよみがえる
あとがき――若き魂への手紙――
年譜
参考文献
さくいん