内容紹介
道学の始祖老子は,周末の乱世に人心と道義の腐敗を嘆き,「道」を説いた。それはむずかしい徳義ではなく,最も自然の道(理)であった。すなわち,「自然は無であり,無は不変なり。無なる自然に従わず,小手先で人間を混乱させるのが知識である。人間がうぬぼれを捨て,無欲であれば天下は自ら定まる」というものであった。
目次(内容と構成)
Ⅰ 老子と『老子』書
概説
漢代の学問
司馬遷父子の思想と生涯
『史記』の老子伝
『史記』老子伝の問題点
老子および『老子』書をどうみるか
Ⅱ 『老子書』の背景
春秋・戦国時代
百花斉放、百家争鳴
Ⅲ 老子の思想
哲学の意義
道について
徳について
聖人の徳
治政――聖王の治
もとに帰る
あとがき
参考文献・テキストなど
さくいん