内容紹介
今からほぼ一世紀前、吉野作造は「民本主義」の提唱者として登場した。吉野の諸論説は時代の「臨床診断」ともいうべき性格をもち、世の注目をあびた。
その診断は非立憲的な政治制度を批判し、「デモクラシー」運動に理論的根拠を提供した。また、中国・朝鮮の民族主義的な運動に共感を寄せるものでもあった。
本書は、吉野と交流のあった人びとをあわせて描き、晩年の明治文化研究まで、吉野の姿を浮き彫りにするものである。
吉野作造生誕一四〇年を記念する出版。
目次(内容と構成)
まえがき
Ⅰ 欧州留学時代まで
Ⅱ 政論化吉野の誕生と中国の大変動
Ⅲ 民本主義と中国・朝鮮論の転換
Ⅳ 政治と社会の大変動
Ⅴ 労働問題と平和主義の模索
Ⅵ 迫害と抵抗
Ⅶ 無産政党への関与
Ⅷ 明治文化論と晩年
あとがき
年譜
参考文献
さくいん