内容紹介
明治外交の懸念であった条約改正をなしとげた陸奥宗光。幕末の激動期に藩閥ではない紀州に生まれたが,頭角を現し,農商務大臣にまで上り詰め,剃力大臣の異名を取るほどの活躍ぶりであった。しかし,病魔には勝てず,日清戦争の二年後に五〇代半ばの若さで世を去った。本書では,彼の政治家としての評価はもちろん,その交友や家庭人としての姿も含め,回想や逸話を交えて,多角的に人物像を描き出しながら,その行動の基となった思想を明らかにしようとした。
目次(内容と構成)
はじめに
Ⅰ 激動の時代に
維新期の陸奥
県知事そして藩政執事
租税頭として
入獄
Ⅱ 修学、そして官界復帰へ
外遊の旅
外務省入省
駐米大使として
議会と農商務大臣
内閣政部部長として
農商務大臣としての活動
Ⅲ 条約改正への道
陸奥外交の一歩
条約改正の取り組み
条約改正の達成
日清戦争へ
Ⅳ 無比の評論家
晩年の陸奥
陸奥宗光の家族と人物評
『蹇蹇録』について
おわりに
あとがき
付載 陸奥の処世訓
年譜
参考文献
さくいん