一般書籍

新装版 人と思想 189

漢の武帝

著者・編者 永田 英正
判型 新書
ページ数 244ページ
定価(税込) 1,100円
ISBNコード 978-4-389-42189-2
発行年月日 2015/9/10

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内容紹介

漢の武帝は,秦の始皇帝が着手した中央集権体制を名実ともに確立するとともに,対外的には中国の領域を強化していった雄材大略と称され,古代中国において多くの足跡を残したが,嫡子ではなかった武帝は,最初から皇帝の地位を約束されてはいなかった。本書では武帝がいかにして皇帝となり,諸政策を遂行したのか,その原動力になった根源は何かを生い立ちから探り,始皇帝の対比から武帝の基礎になった思想を明らかにしようとする。

目次(内容と構成)

はじめに
Ⅰ 若き皇帝の誕生
   武帝の即位をめぐって
    立太子をめぐる女性たちの陰謀/母親の野心と皇帝の姉/徹の即位と陳皇后/
    若き皇帝の儒教への傾倒/お目付役の竇太后/外威田?の専横/
    竇嬰と田?の確執/田?の祝宴の席で
Ⅱ 秦から漢へ
   中央集権国家の成立
    商鞅の改革と秦の発展/商鞅と呉起/秦の統一と始皇帝/始皇帝の諸事業/
    漢の統一と高祖の政治/文帝と景帝の政治/呉楚七国の乱/諸候王への対策
Ⅲ 対匈奴戦争の開始
   武帝の対外政策
    匈奴の攻勢と和親外交/なぜ匈奴は侵入したか/武帝の作戦と公卿会議/
    馬邑の役/衛青と霍去病の登場/衛青の七回の出撃/
    霍去病の活躍と死/版図の拡大
Ⅳ シルク‐ロードの開通
   西域への関心
    張騫使節団の派遣/張騫のもたらした西域事情/武帝のルート開発/
    張騫の再度の西域行/加西四軍の設置/加西の防衛の仕組み/
    辺境防備についた人々
Ⅴ 財政の再建
   新経済政策の実施
    出費の増大と財政の窮乏/製塩業と製鋏業/塩と鋏の専売/
    均輪法・平準法と桑弘羊/商工業者の没落とその波紋
Ⅵ 武帝政治の光と影
   儒家官僚と酷吏
    公孫弘の登場/武帝以前の官吏の登用/公孫弘の秦請/人物本位の人材登用/
    公孫弘から張湯へ/酷吏、張湯の登場/丞相長吏の告発/活発な酷吏の活動/
    社会不安の増大
Ⅶ 神仙から封禅まで
   神秘的な祭祀
    始皇帝への強い意識/神秘に対する関心/武帝に取り入った方士たち/
    封禅の挙行/何の効験もなかった不老・神仙/黄河の治水事業/瓠子の歌/
    武帝の功業
Ⅷ 対匈奴戦争の再開
   対外政策の変化
    李広利の出撃/利陵の出陣/利陵の投降/対史令司馬遷/利陵の禍/
    再度の出撃/李広利の投降と武帝の失意
Ⅸ 晩年の悲哀
   皇太子をめぐる抗争
    武帝の猜疑心と巫蠱騒動/酷吏の再来/江充の姦計/
    武帝と皇太子の関係悪化をついて/皇太子の反乱と敗死/
    死んだ皇太子への思い/輪台の詔/次期皇太子の選定と武帝の死/
    武帝に続く昭帝の政治/宣帝の登場
おわりに
あとがき
年譜
参考文献
挿図出典目録
さくいん