内容紹介
ノーベル文学賞を受賞したアメリカの文豪スタインベックの魅力はまず,読んでおもしろいことである。どの小説を読んでも機知とユーモアに満ちた,心あたたまる描写に出くわしてたのしくなる。皮肉の響きも心地よい。彼の小説は素朴でやさしく見えるが,読みすすめるにつれてその奥の深さに驚かされる。文学的源流が,旧約聖書や新約聖書アーサー王伝説,聖杯探究,アメリカの神話,アメリカの夢に根ざして,その芸術性も豊かである。本書は,知的想像力をもって読者を鼓舞し導いてくれるスタインベックの魅力を解き明かす。
目次(内容と構成)
はしがき
第Ⅰ部 ジョン・スタインベックの生涯
一 作家の誕生と少年時代(一九〇二年~一八年)
二 大学時代と作家修業時代(一九一九年~二九年)
三 カリフォルニア時代(一九三〇年~三九年)
四 ポスト・カリフォルニア時代(一九四〇年~四九年)
五 ニューヨーク時代(一九五〇~六八年)
第Ⅱ部 スタインベック主要作品と思想
序
一 初期の作品
二 『はつかねずみと人間』
三 『怒りのぶどう』
四 『キャナリー・ロウ』
五 『エデンの東』
六 『我らが不満の冬』
あとがき
年譜
参考文献
さくいん