内容紹介
ペトロはガラリヤ湖の漁師であった。イエスの弟子となるが,愛と苦しみに満ちた十字架への道を進むイエスを理解できず,師の逮捕の際にその関係を否認してしまう。ペトロにとって復活のイエスの顕現はは,否認の罪を赦し,驚くべき愛の啓示を意味したに違いない。ペトロは初期キリスト教の成立と発展に無比の役割を演じた。人間の強さと弱さの中でイエスを愛し,イエスに従う戦いの道は,ローマにおける殉教を持って終わる。新約聖書諸文書が呈する多様なペトロ像の背後に,このゆなペトロの姿が見えてくる。
目次(内容と構成)
はじめに
Ⅰ 活動の背景
第1章 ペトロの世界
一 ローマ帝国
二 ローマ人支配下のパレスチナ
三 パレスチナ-ユダヤ人の経済生活
四 熱心党の運動
五 ユダヤ教諸派
第二章 イエスの弟子となるまで
一 出身地
二 家族
三 言葉
四 教育
五 職業
Ⅱ イエスに従う
第一章 ガリラヤからエルサレムへ
一 イエスとの出会い
二 ペトロとおう添え名
三 弟子の筆頭
四 無理解
五 メシア告白
六 祝福と権能
七 イエスの受難に直面して
第二章 エルサレムからローマへ
一 イエスの復活の証人
二 協会を代表する指導者
三 初期エルサレム教会の信仰
四 伝道活動
五 エルサレム会議
六 アンティオキア事件とその後
七 ローマ滞在
第三章 殉教者として
一 ネロの迫害
二 順境についての教会伝承
三 クオ・ヴァディス
四 墓
補遺 新約聖書書諸文書のペトロ像
一 マルコ福音書
二 マタイ福音書
三 ルカ福音書
四 使徒言行録
五 ヨハネ福音書
六 パウロ福音書
七 ペトロの手紙一
八 ペトロの手紙二
おわりに
年表
参考文献
さくいん