一般書籍

新装版 人と思想 183

オパーリン

著者・編者 江上 生子
判型 新書
ページ数 248ページ
定価(税込) 1,320円
ISBNコード 978-4-389-42183-0
発行年月日 2016/9/25

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内容紹介

『生命の起源』の著者であるオパーリンは,一九五五年秋に来日し,彼の著作は広範な読者を獲得した。ソ連の生化学者として親しまれ,日本との交流は生涯にわたって途絶えることはなかった。無生物から生物への物質の進化を探究する試みは共鳴者を広げ,科学的な研究課題として承認されて,国際的な学会の設立へとつながった。本書では,オパーリンの言説の展開をたどり,「生命の本質はその発生の歴史を知ることなしには認識できない」とするオパーリンの思想と立場を検証する。

目次(内容と構成)

プロローグ
Ⅰ オパーリンの訪日
   緊張緩和の息吹 ――一九五五年
   フルシチョフの時代
   日本への紹介
Ⅱ 若きオパーリン
   ロシアの古い街で
   植物生理学への接近
Ⅲ 「生命の起源」の誕生
   植物学会での発表とブックレット『生命の起源』
   『生命の起源』1・2節 ――「自然発生説」と「パンスペルミア説」
   『生命の起源』3・4節 ――「生きている世界と死んだ世界」と
                    「結合していない元素から有機化合物へ」
   『生命の起源』5節 ――「有機物から生物へ」
    進化論と宇宙論の流れの中で
Ⅳ 激動と凍結の中で
   イギリス発の「生命の起源」
   ロシアの科学者たち
   一九三四年 ――時代の転換点
   第二次世界大戦期
Ⅴ 本格的な生命起源説
   コアセルヴェート説 ――三六年版
   五七年版「生命の起源」
   始原大気中での有機物合成
Ⅵ 晩年のオパーリンとその思想
   大衆に向けて
   活動する科学者
   晩年の日々
エピローグ ――アリストテレス▼ダーウィン▼オパーリン
あとがきにかえて ――執筆の動機のことなど
年譜
参考文献
さくいん