内容紹介
ビスマルクは,第二次世界大戦以前の日本では「鉄と血」の意志で対外戦争を遂行し,ドイツを統一した建国の大立者であった。しかし,戦後には,「社会主義者鎮圧法」などで強権を振るった保守反動の政治家,ヒトラーにつながる軍国主義者として敬遠されるようになった。本書では,ビスマルクの実像に迫るため,彼の私生活とその生身の人間像に視線を向け,彼の政治と彼の成し遂げたドイツ統一の意味を,当時の日本との関連,また一九九〇年のドイツ再統一や「欧州連合」との関連も踏まえながら,今一度検証しようとする。
目次(内容と構成)
Ⅰ 生い立ちから結婚まで
一 ビスマルク誕生前夜のドイツの状況
二 幼年時代
三 初等教育、中等教育
四 大学時代
五 官吏生活、田舎生活
六 マリー=フォン=タッデン
七 ヨハナとの結婚
Ⅱ 政治家ビスマルク
一 政治への道
二 三月革命
三 反革命
四 オルミュッツの協約
五 外交官時代
六 大命降下
七 対デンマーク戦争
八 対オーストリア戦争
九 ビスマルクの姿勢の特色
十 戦後の状況
十一 隊フランス戦争
十二 ドイツ帝国の創立
十三 帝国の統治体制
十四 保守への転回
十五 文化闘争
十六 社会主義者鎮圧法
十七 帝国成立後の外交
十八 ビスマルクの社会政策
十九 ビスマルク辞任
二十 引退後のビスマルク
Ⅲ ビスマルクの人物像と業績
一 ビスマルクの敵
二 ビスマルクの人物像と業績の総括
あとがき
年譜
参考文献
さくいん