内容紹介
「国際法の父」グロティウスは,戦争発生の防止,戦争の悲惨さの軽減,戦争の連鎖の切断のための枠組みを作るという課題に取り組んだ。その基本理念は,四〇〇年の年月を越えて,「戦争の世紀」である二〇世紀,さらに次の世紀に,われわれが直面する戦争と平和の問題を考察する際に大きな指針となるはずである。本書では,有力政治家,大使,神学者などさまざまな顔を持つ彼の生涯を振り返り,海洋の自由,戦争と平和,近代自然法論と国際法論についての彼の先駆的な業績を紹介して,「グロティウス的伝統」とは何かを分析する。
目次(内容と構成)
Ⅰ生涯
一 グロティウスの生きた時代
二 生い立ち(一五八三-一六〇七)
三 オランダ連邦共和国の官僚(一六〇七-一八)
四 亡命生活(一六二一-四五)
五 スウェーデン国大使(一六三四-四五)
Ⅱ業績
一 海洋の自由
二 戦争と平和
三 近代自然法論と近代国際法論
四 グロティウス的伝統
あとがき
年譜
参考文献
掲載図版・写真の出展および所蔵一覧
さくいん