内容紹介
ハーバーマスは,現代ドイツを代表する哲学者・社会学者である。フランクフルト学派に属する彼は,旺盛な研究意欲と驚異的な筆力によって,第二次世界大戦後のドイツの哲学と社会学の発展に大きな影響を与えてきた。彼は,従来の批判理論のマルクス主義的な前提に対して根本的な批判を行い,言語により意志疎通を行う自由な討論のうちに理性と合理性を基礎づけることによって,批判理論をアングロ-サクソン諸国の知的伝統に結びつけ,ドイツと西ヨーロッパとの文化的な溝を左翼的な立場からほぼ埋めたと言えよう。
目次(内容と構成)
まえがき
Ⅰ ハーバーマスの軌跡
敗戦と祖国分裂
フランクフルト学派
実証主義論争と学生反乱
ドイツの秋
歴史家論争とドイツ統一
Ⅱ ハーバーマスの思想
政治と公共性
認識と関心
社会科学の倫理
コミュニケーション的行為の理論
近代 ――未完のプロジェクト
法と道徳
あとがき
年譜
参考文献
さくいん