内容紹介
チェスタトンは,詩人,小説家,劇作家,文芸評論家,歴史家,キリスト教弁証家,エッセイスト等々,多彩な役割を果たした文人である。ジャーナリズムの世界を選んだのは,彼が論争家であることをどうしてもやめることができなかったからである。人生を戦場と見た彼は,その豊かな才能と豊穣な想像力をこの論争好みの性癖に重ね合わせて,「ラディカル」な論陣を張ることになった。そしてこれが彼を単なる時局以上のジャーナリストに仕立て上げたのである。本書は,こうした彼の絢爛たる作品世界に参入する道を示すものである。
目次(内容と構成)
Ⅰチェスタトンの生涯
一 家族
二 学生時代
三 人生への船出
四 <GKCとは誰のことか>
五 ブラウン神父登場
六 病気そして旅
七 ローマへの道 ――カトリックへの改宗
八 改宗後、そして死
Ⅱ チェスタトンの作品と思想
一 『色とりどりの国』
二 正統と異端 ――『異端者の群れ』、『正統思想』
三 永遠のヴィジョン ――『アッシージの聖フランチェスコ』、『聖トマス=アクィナス』、『人間と永遠』
四 ブラウン神父の叡知 ――『ブラウン神父探偵物語』
五 小説のパターン ――『ノッティングヒルのナポレオン』、『木曜の男』、『球と十字架』
六 詩的形象
七 伝記的肖像 ――『ブラウニング伝』、『ディケンス伝』、『チョーサー伝』、『ショー伝』
Ⅲ チェスタトンの受容
年譜
参考文献
索引