内容紹介
人間について自由な思索を展開したフランス-モラリストの系譜の最初に位置し,その特徴を遺憾なく発揮したミシェル=ド=モンテーニュ。教養人・読書人に愛好され唯一の著書である『エセー』によって我が国でも広く知られている。本書は,彼の生涯を時代に照らして描いた後,その示す多様な施策の相貌を整理して,『エセー』に依拠して素描する。透徹した主観が,自己を含む世界をどう見たのか,大きな関心を持って接してほしい。
目次(内容と構成)
はじめに
序章 現代の読者と『エセー』
Ⅰ 時代の中のモンテーニュ
ルネサンスとユマニスム
青春時代
『エセー』の執筆
イタリア旅行
ボルドー市長として
晩年 ――『エセー』全三巻上梓
Ⅱ モンテーニュの思想 ――『エセー』を中心に
著作の意味
『エセー』における「自己」
モンテーニュの「懐疑」
自由なエセー
『エセー』における言語表現
『エセー』における連続と不連続
モンテーニュと後代
おわりに
年譜
参考文献
さくいん