内容紹介
二〇世紀後半のスウェーデンを代表する芸術家としてベルイマンが挙げられる。彼の映画作品は,日本でもかなりよく見られており,多くの場合スウェーデンの現代芸術についてのイメージは,それらを通してのみ与えられているといってもよい。しかしそれでは彼の作品はどれほど理解されているのだろうか。ベルイマンを理解するうえで,彼の宗教観・芸術観・社会観・人間観の理解を欠かすことはできない。本書では,私たちが最も親しんでいる映画作品に限って全作品を鳥瞰しながら,その思想と作品世界を明らかにしいく。
目次(内容と構成)
はじめに
Ⅰ 夢の世界・劇場世界
若き演出家の誕生
脚本家から映画監督へ
ベルイマン的世界の芽生え
Ⅱ 夏のよろこび
青春映画の世界
人生の希望と絶望
Ⅲ 光と影の形而上学
国際的名声へ
神の沈黙の三部作
人間のドラマ
Ⅳ 現代人の苦悩
新たな創作世界を求めて
自らについて語ること
あとがき
ベルイマン年譜
参考文献
さくいん