内容紹介
ミシェル=フーコーの思想的な歩みには三つの軸がある。それらは,彼の思想的展開に従うと,次のように整理できる。まず,一九六〇年代に提起された「知/言説的実践」という軸。続いて,一九七〇年代の中心論題となった「装置/権力的実践」という軸。最後に,晩年の一九八〇年代に展開された「倫理/道徳的自己実践」という軸。本書では,こうしたフーコーの思想を理解するために,生涯編ではその時代背景や数々の知的交流を紹介し,思想編では彼の投げかけた哲学的諸問題とその変遷をたどる。
目次(内容と構成)
はじめに
第一部 フーコーの生涯
一 生い立ちと修学時代
二 研究生活と異国での日々
三 コレージュ・ド・フランス教授主任以後
第二部 フーコーの思想
第一章 初期の思想(一九六〇年代)
一 科学と知
二 『狂気の歴史 ――古典主義時代における』
三 『臨床医学の誕生 ――医学的まなざしの考古学』
四 『言葉と物 ――人間諸科学の考古学』
五 『知の考古学』
第二章 中期の思想(一九八〇年代)
一 権力と装置
二 『監視と処罰 ――監獄の誕生』
三 『知への意志』
第三章 後期の思想(一九八〇年代)
一、道徳と倫理
二 『性の歴史』シリーズについて
三 『快楽の活用』と『自己への配慮』
四 批判的思考史の展望
おわりに
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