内容紹介
『アメリカの悲劇』の作者ドライサーは一九世紀末から二〇世紀前半を生きたもっともアメリカ的な小説家だった。彼はドイツ移民の子として貧困の中に育ち,少年期から青年期まで様々な職に就きながら,新聞記者・雑誌編集者を歴て,自学自習で念願の小説家となった。そして当時の時流であった自然主義文学の代表的作品を世に問うまでになった。彼の生涯はまさに「アメリカの夢」を見。実現させようと努力した軌跡である。ここに生きる男の典型を見ることができるであろう。
目次(内容と構成)
はしがき
Ⅰ シオドア=ドライサーの生涯 ――成功の夢を追い続けた男――
一 貧しい移民の子
二 青春の苦闘
三 新聞記者への道
四 セントルイス時代
五 放浪の記者生活
六 大都会での挫折
七 成功の萌し
八 『シスター・キャリー』の挫折
九 「不道徳」というレッテルの重圧
十 大作家への道
十一 華麗なる時代
十二 不満足な晩年
Ⅱ シオドア=ドライサーの作品と思想
一 『シスター・キャリー』
二 『ジェニー・ゲアハート』
三 『資本家』
四 『アメリカの悲劇』
五 『悲劇的なアメリカ』
六 晩年の心境を描く『とりで』
七 むすび
あとがき
年譜
参考文献
さくいん