内容紹介
江戸時代末期,越後の片隅に生きた良寛は,自由に生きるとはどういうことかを詩歌や書で深く語りかける。越後の出雲崎で旧家の長男として生まれたが,一八歳で剃髪して良寛と名のった。後に玉島円通寺の国仙について徳度,彼に随行して修業に励み,国仙の入寂後は諸国を行脚し,四〇を過ぎてから越後に帰った。彼は僧でありながら寺を持たず,名利にとらわれず人と自然をこよなく愛して自然に溶け込み,七四歳まで生き抜いた。本書は,今なお多くの人たちから慕われている「良寛さま」の実像と思想を,浮き彫りにした力作である。
目次(内容と構成)
はしがき
Ⅰ 雪国の山河
おいたち
港の丘
Ⅱ 修行の日々
師の法愛
Ⅲ 騰々任運の人生
いが栗の山路
Ⅳ 人は情の下に住む
まごころの人
良寛と交わった人々
Ⅴ 山より下る
山麓の嵐
天の怒り
Ⅵ 愛の絆
つきてみよ
Ⅶ 庇護者たち
心の通じ合った庄屋たち
Ⅷ 良寛と任術医たち
インテリ層の医師たち
あとがき
年譜
参考文献
さくいん