一般書籍

新装版 人と思想 148

アドルノ

著者・編者 小牧 治
判型 新書
ページ数 232ページ
定価(税込) 1,320円
ISBNコード 978-4-389-42148-9
発行年月日 2016/3/25

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内容紹介

音楽的家庭環境に生を受けたアドルノは,音楽と哲学という二足のわらじをはいて進む。音楽的・芸術的センスに彩られた彼の哲学の視座は,ファシズムの嵐に吹き荒れる現実を暴く厳しい批判に向けられる。人間によって形成された文明が,何ゆえに人間らしい状態へ進むかわりに,たえず新しい野蛮に落ち込んでいくのかが追求される。普遍化ないし同一化原理による内外の自然の抑圧を徹底的に批判し,もって埋没してはならない非同一的,個性的なものを擁護する思想こそ,彼のホームでありハイマートであった。

目次(内容と構成)

はしがき ――アドルノの思い出
音楽的な家庭環境
音楽と哲学
キルケゴール論 ――美的なものの構成
時代の波 ――私講師からイギリス亡命へ
アメリカ亡命
啓蒙(文明)の野蛮化の省察 ――『啓蒙の弁証法』
 啓蒙の光と影
  啓蒙の概念
  神話と啓蒙
  啓蒙と道徳
  文化産業 ――大衆欺瞞としての啓蒙
 反ユダヤ主義の諸要素
ドイツ帰還
ミニマ・モラリア(小倫理学) ――傷ついた生活裡の省察
音楽論
諸哲学思想に対する対応と批判
 ヘーゲル弁証法の分析
 フッサール現象学の批判
 ハイデガー哲学(存在論)に対する批判
 実証主義に対する批判
『否定弁証法』
 この書が目ざすもの
 存在論との関係
 否定弁証法 概念とカテゴリー
 モデルⅠ 実践理性批判へのメタ批判
 モデルⅡ ヘーゲル批判
 モデルⅢ アウシュヴィッツの絶対的同一性
学生との対決
悲劇的な死去と葬送
遺作、『美の理論』
アドルノ哲学の培養源と個性
あとがき
アドルノ年譜
参考文献
さくいん