内容紹介
大乗仏教とは,インドの仏教史において,原始仏教・部派仏教に続いて展開した仏教である。初期の大乗仏教は,根本思想から離れていった部派仏教に対し,ゴータマ= シッダッタの思想に帰ることを目的としていた。本書では,初期大乗仏教の経典である般若経典類から,仏教の基本思想を明らかにし,一つの哲学体系の構築を試みる。古代インドで展開された哲学が,現代を生きる私たちに伝えるものは何であろうか。「われわれはいかに生くべきか?」の問いを考える際の拠り所となることを願うものである。
目次(内容と構成)
はしがき
Ⅰ 大乗仏教に至るまでの仏教の流れ
ゴータマと原始仏教
部派宗教
Ⅱ 大乗仏教の思想――般若経典を中心に――
般若経典
人生論
倫理学
存在論
理論
空の理論
「AはAでない、それはAと言われる。」の倫理
Ⅲ 大乗仏教の展開
般若経典とその後の大乗仏教
さまざまな大乗経典
中観派
唯識派
如来蔵思想
年表
参考文献
さくいん