内容紹介
「古代ローマの栄光」を夢みて,イタリアの若き日のムッソリーニは「すべては国家の中にこそ存在する。人間も精神も国家を離れては存在しえない」とするファシズム全体主義を創始し,ファシズムの政治実践に乗り出す。やがて先発資本主義国に追いつこうとするイタリアと後発資本主義国ドイツ・日本が手を結び,第二次世界大戦に突入する。その敗北後も,ファシズム思想と手法は姿・形を変えて生き続けている。我々はムッソリーニの展開した政治過程を見ることにより,ファシズムの何たるかを歴史に即して理解することができる。
目次(内容と構成)
序にかえて―――ムッソリーニとファシズムの今日的意義
Ⅰ 近代国家に向けて
若き日のムッソリーニ
革命への目覚め
Ⅱ 政治家としての登場
政治家への大きな夢
ファシストへの道
ファシズムの旗揚げ
Ⅲ ファシズムへの道
中央政界へ
「ローマ進軍」へ
ファシズム時代への突入
Ⅳ 統帥として
独裁体制の完成
ファシズムの理念と植民地拡大
ヒトラーとの提携
Ⅴ 第二次世界大戦とムッソリーニ
大戦への参戦
失脚、そして傀儡政権
最期の日々
結び――ファシズム研究から得るもの
あとがき
年譜
参考文献
さくいん