内容紹介
プルーストはフランスの一九世紀末から二〇世紀初頭のベル- エポックに生きた作家で,フランスの歴史の中でも最もよい時代の空気を吸いながら,唯一の作品『失われた時を求めて』を書き上げることに一生を投じた。彼の作品は全体として極めて健全に力強く前進していき,その結果として最後には二〇世紀にふさわしい美の世界が得られる。われわれは,プルーストを読むことによって,現実を見る目を刷新され,われわれの日常がどれほど魅力をもって輝いているかに気づかされる。
目次(内容と構成)
はしがき
第一部 プルーストの生涯
第一章 幼年時代
一 両親の家系とその生活環境
二 ≪黄金の幼年期≫と喘息の発病
第二章 リセ時代
一 さまざまな出会い
二 文学の世界に
第三章 青年時代
一 職業への模索
二 社交界と彼をめぐる人間模様
三 ラスキンへの傾倒
四 母親の死がもたらしたもの
第四章 創作の時代
一 本格的な創作活動へ
二 文壇への足がかりを築く
三 栄光と死
第二部 プルーストの作品と思想
第一章 初期の作品
一 『楽しみと日々』
二 『ジャン・サントゥイユ』
三 ラスキンの翻訳
四 パスティッシュ(模作)
第二章 『失われた時を求めて』
一 梗概
二 作品の生い立ち
三 作品研究――その一
四 作品研究――その二
おわりに
あとがき
年譜
参考文献
さくいん