内容紹介
アウシュヴィッツで他者のために命をなげうって,餓死監房にくだった一人の人間がいた。彼は,人間の尊厳を否定する巨悪の力に立ち向かった,現代の預言者である。彼は,「憎しみからは何も生まれない。愛だけが創造する」という言葉を残している。この言葉は,憎悪,不正義,人間性の破壊という悪の力が渦巻く世界にあって,確かな重さを持っている。本書は,彼自身の言葉を辿りながら,餓死室に赴いたこの現代の預言者の姿に迫ろうとするものである。
目次(内容と構成)
はじめに
序章 囚人番号一六六七〇
Ⅰ コルベ神学生
ライムンド少年
師父との出会い
マキシミリアノ神父
Ⅱ マリアの旗のもとに
聖母の騎士
ニエポカラヌフにて
Ⅲ 東洋への宣教
東洋との出会い
苦しみを超えて
Ⅳ 身代わりの死
ニエポカラヌフの院長
感謝の手紙
騎士の勝利
おわりに
年譜
参考文献
さくいん