内容紹介
上田敏や堀口大学の名訳によって日本の読者にもその名をよく知られてフランスの詩人ヴェルレーヌ。マラルメと並び称される象徴主義の大詩人。その生涯は波乱に富み,スキャンダルに満ちている。デカダンスを地でいく酒と官能に溺れる日々。こうした泥だらけの人生から切々と訴えかける,平明で陰影に富んだ名品の数々が生み出される。本書は一見矛盾する詩人と作品に通底する論理を剔出し,そのポエジーの秘密に迫る。簡にして要をえたヴェルレーヌの入門書である。
目次(内容と構成)
はじめに
Ⅰ ヴェルレーヌを求めて
ヴェルレーヌの位置
不幸な星のもとに生まれて
Ⅱ 哀れなレリアン
両親の愛に包まれて
青春彷徨
Ⅲ 青春の墓標
『サチュルニヤン詩集』
『雅なうたげ』
Ⅳ 愛の嵐
マチルド
ランボー
『ロマンス-サン-バロール』
Ⅴ エロスとアガペー
回心
『知恵』
晩年の栄光と悲惨
あとがき
年譜
参考文献
さくいん