内容紹介
タゴールはその八十年の生涯のうち少なくとも二十歳から先の六十年間にわたってまったくのスランプ知らずで書き続け,ほとんどありとあらゆる文学的創作に関わった。残された著作は膨大かつ多様である。一九一三年にはアジア人のみならず非ヨーロッパ人として初めてノーベル文学賞を受賞し,世界的な詩人として高く評価され,ロマン・ロランやガンディーといった著名人と親交を結んだ。また,世界各地を訪問し,日本にも五回訪れている。
目次(内容と構成)
第一章 一九一三年、ノーベル賞受賞
一 四十代のタゴール
二 ベンガルの外へ
三 イギリス行き
四 ノーベル賞受賞
五 ふたりのタゴール
第二章 詩人をめぐる論争
一 タゴールへの反感
二 タゴール紹介の始まり
三 タゴール来日
四 タゴール批判
五 タゴールの文明論
六 不幸な滞在
第三章 黄金のベンガル
一 コルカタ
二 シライドホ
三 シャンティニケトン
第四章 歌い演じる
一 初期の戯曲
二 タゴール劇のスタイル
三 『贖罪』とそのヴァリエーション
四 『赤い夾竹桃』
五 タゴールの歌
第五章 「世界」と「ふたり」、ふたつの「わたし」
一 『ゴーラ』
二 タゴール小説のあゆみ
三 「わたし」の追求と『最期の詩』
第六章 女性たち
一 詩人の妻ムリナリニ
二 タゴールの手紙、そしてボイシュノブとタゴール
三 異国の女
四 孤独のなかで
第七章 詩に生きる
一 試作の始まり
二 「行き先のない旅」から「道の終わり」へ
三 『ギタンジョリ』
四 後期詩集と散文詩
五 世界の不条理と晩年のタゴール
おわりに
年譜(生涯編)
年譜(作品編)
参考文献
さくいん