内容紹介
ヘレニズム文化の中心地アレクサンドリアに生まれたオリゲネスは,ユダヤ教・ギリシア哲学・異端との対峙の中で神学を構築する。この神学・聖書研究は後世に影響を及ぼし,現代にも大きな波紋を投ずるものである。彼の生涯は波乱に富んだものであり,彼の業績の評価は大きく分かれる。死後三〇〇年して異端宣告されたが,絶えず人々の関心を引き続け,二〇世紀に至り不死鳥のごとく蘇る。この偉大な思想家の数奇な生涯と活力ある思想をいきいきと描き出す。
目次(内容と構成)
はじめに
序章 アレクサンドリア
Ⅰ アレクサンドリアのオリゲネス
儒教者の父
若き教師
旧約聖書の批判研究『ヘクサプラ』
問題提起の『諸原理について』
アレクサンドリア退去
Ⅱ カイサレイアのオリゲネス
教師オリゲネス
聖書釈義家オリゲネス
護教家オリゲネス ――『ケルソス駁論』
殉教への憧れ ――死
終章 オリゲネスのその後
オリゲネスのその後
あとがき
年譜
参考文献
さくいん