内容紹介
西光万吉が全国水平社の創立にあたって,日本の最底辺から呼びかけた人間解放のメッセージ「人の世に熱あれ,人間に光あれ」は今なお息づいている。戦後,彼は和栄政策を構想し,不戦日本,不戦世界の建設を説き続け,日本国憲法に根ざしながら常に国際的視野を持つことの大切さを強調した。戦時中,彼は国家主義者として侵略戦争を推進する役割を担ったため,戦後の彼の主張も顧みられず,無視されてきた。本書はこのタブーを破って,初めて西光の生涯を明らかにした。冷戦構造が崩れ新たな世界の仕組みが模索される現在,西光に学ぶべきところは多い。
目次(内容と構成)
はじめに
Ⅰ 全国水平社の創立
苦悩を越えて
全国水平社の創立
農民運動から政治闘争へ
Ⅱ 高次的タカマノハラの展開をもとめて
獄中にて
国家社会主義の実現をめざして
奈良県柏原を中心に
Ⅲ 戦争の激化のなかで
日中戦争のもとで
穂積五一とともに
Ⅳ 戦後の主張――和栄政策
不戦への道
和栄政策の実現をめざして
日本と世界に
あとがき
年譜
参考文献
さくいん