一般書籍

新装版 人と思想 108

ホルクハイマー

著者・編者 小牧 治
判型 新書
ページ数 248ページ
定価(税込) 1,100円
ISBNコード 978-4-389-42108-3
発行年月日 2014/9/10

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内容紹介

一九七三年七月,ホルクハイマーが亡くなったおり,数多くの新聞はその死を悼んで記事を載せた。彼の偉大さを讃えるものから,彼の批判的・変革的姿勢に視点をあてたもの,さらにペシミズムならびに「あこがれ」論に焦点をあてたものに及んだ。これらは,彼の多彩な顔を示しているといえよう。哲学の真意が現存するものの批判にあることを根本とし,人間によって形成されたこの文明が,何故に真に人間らしい状態へ進むかわりに,たえず新しい一種の野蛮へ落ち込んでいくか,を問い続けた哲学者,その相を追ってみようとする。

目次(内容と構成)

ホルクハイマーとの出会い
Ⅰ 哲学者への歩み
   家庭と青春時代
   大学生活と哲学者への道
Ⅱ 社会研究所とともに
   フランクフルト学派の拠点
Ⅲ 伝統的理論と批判理論
   「批判理論」の背景
   伝統的理論
   批判理論
   フロイトへの道
Ⅳ 権威主義的人間と権威主義的国家
   家族と権威主義的人間の形成
   権威主義的国家
Ⅴ 啓蒙の弁証法
   啓蒙の光と影
   啓蒙の概念
   神話と啓蒙
   啓蒙と道徳
   文化産業――大衆欺瞞としての啓蒙
   反ユダヤ主義の諸要素
Ⅵ 理性の腐蝕
   理性の主観的形骸化
   相対立するえせ特効薬
   自然の反乱
   個人の没落
   批判としての哲学
Ⅶ ドイツ帰還   活動の再開
Ⅷ 管理社会と自由
   O=ヘルシェとの対話(一九七〇年)における
Ⅸ 絶対他者へのあこがれ
   H=グムニオールとの対話(一九七〇年)より
Ⅹ 逝去によせて――新聞報道――多彩な横顔とヒューマニスティックな人柄
   あとがき
    年譜
    参考文献
    さくいん