内容紹介
教育者ペスタロッチはあまりにも有名であるが,その彼が,「立法と子供殺し」と題する論文で,不当な処遇に泣く「未婚の母」たちのために秘密・安全・無償の出産を保証すべきであると主張したことは,それほど知られていない。ブルクドルフでの彼の教育実験を助けようとやってきた3名の青年は,そろいもそろって学歴社会からのはみ出し者で,当時の学校教育に失望していた連中だった。現代教育の課題を根本から考え直そうとしているわれわれにとって,彼に生き方から重要な示唆を得ることができるのではないだろうか。
目次(内容と構成)
はじめに
序
Ⅰ 貧民救済のために
少年時代
青年時代
農場経営と民衆教育
Ⅱ 文筆家として
『隠者の夕暮』
『リーンハルトとゲルトルート』
「立法と子供殺し」
フランス革命とペスタロッチ
『人類の発展における自然の歩みに関するわたしの研究』
Ⅲ 教育家として
「シュタンス便り」
『ゲルトルート児童教育法』
イヴェルドン学園
Ⅳ 晩年のペスタロッチ
理想と現実と
知己を後世にまつ
Ⅴ ペスタロッチ運動の発展
スイスのペスタロッチ運動
ドイツのペスタロッチ運動
イギリスのペスタロッチ運動
アメリカのペスタロッチ運動
日本のペスタロッチ運動
あとがき
年譜
参考文献
さくいん