内容紹介
一九六八年にテネシー州メンフィスで暗殺されたマーティン=ルーサー=キングがその生涯の最後に目指したものは,物指向のアメリカ社会の構造と価値観を根底から覆して,人間指向の「愛の共同体」に再創造することであった。いったいキングにおけるこのラディカリズムの源泉は何であろうか。本書は,この秘密に,あらゆる危機の時に彼を支えた奴隷制以来の黒人キリスト教の信仰伝統に視点を据えながら迫ろうとする企てである。そして彼の抱いた夢が,単なるアメリカの夢を超えた人類の夢でもあることを解明する。
目次(内容と構成)
マーティン=L=キングの現代的意義――序にかえて
Ⅰ アトランタからボストンへ
少年時代
モアハウス時代
クローザー時代
ボストン時代
Ⅱ 万人の自由を求めて
時は満ちた
ローザ=バークス逮捕事件
ホールト‐ストリート講演
コーヒーカップの上の祈り
自由への闘い
Ⅲ 公民権運動の進展
投票権をわれらに
モンゴメリーからアトランタへ
非暴力直接行動
Ⅳ 公民憲法の成立
バーミングハムの闘い
バーミングハムの獄中からの手紙
私はそれでもなお夢を持つ
悲劇を超えて
Ⅴ 孤独への道
ベトナム反戦への道
貧者の行進に向かって
あとがき
年譜
参考文献
さくいん