内容紹介
革命的な長詩『荒地』で英米の詩界に衝撃を与えたT.S.エリオットは,日本の詩人にも影響を及ぼした。それは,荒地グループの作品が明らかである。また,エリオット研究者の数も多い。しかし,人間エリオットについては,彼自身が私生活を語ることが少なく,資料不足もあって,陰影あるエリオット像は得られていない。本書では人物としてのエリオットの表裏を描き出し,彼の詩の手引きをすることを心がけている。エリオットの伝記はその詩を直接には解説しないにせよ,深いところでは人生と詩は互いに照らし合っていることが分かる。
目次(内容と構成)
はじめに
Ⅰ T・S・エリオットの生涯
一、出発――幼時の精神的風土、ハヴァード大学
二、イギリスへ渡る――詩人としての出発
三、英国国教会に入信
四、ヴィヴィエンと別居――『四つの四重奏』
五、ヴィヴィエンの死、ノーベル賞、劇作
六、再婚、晩年
Ⅱ T・S・エリオットの詩とその思想
一、「J・アルフレッド・プルーフロックの恋歌」
二、『荒地』
三、『四つの四重奏』
Ⅲ T・S・エリオットの思想的特徴
一、異神を求めて
二、キリスト教観
三、エリオットの批評用語
年譜
参考文献
さくいん