内容紹介
士は己を知る者のために死す、「俠」とは、おとこ気。おとこだて、いさみはだの女。
義に富み強気をくじき弱きを助ける勇者のこと。
歴史上無数にいる「俠者」から「これぞ」という生き方や死に様をした人物を精選して掲載。
清水書院の歴史シリーズ『悪の歴史』の姉妹編登場!
ソロン、グラックス兄弟、セネカ、ウィリアム・マーシャル、そして、フサイン、サッタール・ハーン等々、歴史の陰で己の信念と義俠心を最期まで貫いた男は、西洋にも中東にもいた。
彼らの死に様を描く。
目次(内容と構成)
はじめに─鈴木 董………………………3
西洋編(上)
ソロン 改革者の実態にどう迫るか、見直される人物像─髙畠純夫……………………12
デモステネス 弁論で世界を動かした男─髙畠純夫……………………28
アイトリアのドリマコス ローマをギリシアに呼び込んだ男の挑戦─伊藤雅之……………………44
グラックス兄弟 パンドラの箱を開けたエリート兄弟の改革─砂田 徹……………………60
大ポンペイウスと息子たち 海の支配者たる父と海賊とされた息子の物語─山本興一郎……………………76
セネカ ネロの家庭教師・哲学者議員の流転人生─新保良明……………………94
ルートヴィヒ(ルイ)敬虔王 キリスト教帝国の実現をめざして─加納 修……………………110
ロベール・ギスカール 「世界の恐怖」と呼ばれたノルマン戦士─林 亮……………………124
グレゴリウス七世 誰よりも神に従うことを愛した「聖なるサタン」─井上みどり……………………140
トマス・ベケット 「教会の自由」のために闘った殉教者─苑田亜矢……………………158
ボードゥアン四世癩王 王国分裂の危機と闘ったイェルサレム国王─櫻井康人……………………170
ウィリアム・マーシャル 理想の騎士、揺るがぬ忠義の向かう先─林 亮……………………186
アッシジの聖フランチェスコ 一人のカリスマとその「記憶」の物語─梶原洋一……………………202
シモン・ド・モンフォール 英雄か?国政改革運動の指導者─苑田亜矢……………………218
中東編
フサイン 「正義」を貫いたシーア派イマームと、信徒が語り継いだその記憶─杉山隆一……………………230
ハサン・サッバーフ 「暗殺教団」を創り上げた伝説的指導者─菊地達也……………………246
イブン・バットゥータ 十四世紀の世界を踏破した偉大な旅人─家島彦一……………………260
ムハンマド・ブン・アブドゥルワッハーブ
純粋なイスラームを目指して既存の価値観に挑戦─保坂修司……………………274
アブド・アルカーディル 抵抗運動の英雄からヒューマニズムの理想へ─私市正年……………………288
アハマド・オラービー 「エジプト人のためのエジプト」を目指した首領─長沢栄治……………………304
サッタール・ハーン 「国民将軍」と呼ばれる孤高の抵抗者─八尾師誠……………………320
ハサン・バンナー 中東最大のイスラーム主義運動を俠気で動かした男─横田貴之……………………336
ナーズム・ヒクメット 生涯をかけて新生の祖国に良心を問い続けた「俠」─石井啓一郎……………………348
執筆者略歴……………………………371