内容紹介
あなたは,今なぜ世界が水俣に注目しているのか,分かりますか?
その理由は,「四大公害病の一つ」という知識だけでは読み解けません。
水俣病をめぐって,過去と現在,世界と日本を旅してみると,差別と環境汚染,公害輸出と植民地支配,グローバルに広がる対抗文化としての公害闘争と,さまざまな「水俣/MINAMATA」の姿が見えてきます。
3・11後の世界の中で,水俣が発する問いかけを一緒に考えてみましょう。
目次(内容と構成)
プロローグ―地球環境問題の時代に,どうして公害を学ぶの?―
1.水俣の風景から,何を読み取れるのだろう?―近現代日本の濃縮地点―
(1)工場正門の風景を歴史する
(2)漁村を歩いてみよう
(3)慰霊碑の意味を考えてみよう
2.「公害地図」を押し広げる,世界の環境問題と出会う
(1)患者たちと旅に出よう
(2)カナダで水俣病?
(3)水俣病の前に,水俣病があった?
3.水俣病を歴史学的に考えると,何が見えてくるのだろう?
(1)世界史の中で日本の「開発」と「公害」をとらえよう
(2)公害問題の浮上は,何を意味しているか?
(3)グローバル時代の環境問題のとらえ方
(4)私たちの「公害/環境問題」認識をとらえ直そう
エピローグ―そして,3・11後の世界の中で―