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新・人と歴史 41

アブドュルハミド二世
西欧へのオスマン帝国の抵抗

著者・編者 設樂 國廣
判型 四六判
ページ数 272ページ
定価(税込) 1,980円
ISBNコード 978-4-389-44141-8
発行年月日 2021/07/20

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内容紹介

■アブドュルハミド二世は19世紀から20世紀にかけて約33年間、西欧列強の植民地争奪戦の中にあってオスマン帝国を統治し、アジアで最初の近代的憲法を制定、停止、復活したスルタンであった。

■本書は西欧諸国の侵略に抗った彼の姿を描き出したものである。

■オスマン朝・トルコ共和国を専門とする著者による書き下ろし作品。

目次(内容と構成)

はじめに
アブドュルハミド二世の墓

序章 アブドュルハミド二世統治以前のオスマン帝国
1 オスマン帝国の歴史的概観
オスマン帝国の成り立ち/西欧化改革の進行/エジプトのメフメト・アリの西欧化改革/ギリシアの独立/エジプト問題/イギリスの進出/タンジマート時代/クリミア戦争(オスマン=ロシア戦争)/スルタン、アブドュルアジズ/新オスマン人協会・憲法制定運動の萌芽/アブドュルアジズの治世末期の混乱/クーデタ/ムラト五世

Ⅰ アブドュルハミド二世
1 生い立ちから即位へ
出生/教育/青年期の私生活/スルタンへの即位/側近たちの選任/ミドハト・パシャの憲法制定に向けての動き/国内体制

Ⅱ アブドュルハミド二世統治初期の内外の情勢
1 国内情勢
オスマン軍(兵士の徴集 兵役 軍制改革)/教育体制

2 バルカン半島情勢
概観/セルビア、モンテネグロとの戦争/イスタンブル会議/憲法の公布/イスタンブル会議の続行

Ⅲ 第一次立憲体制
1 オスマン帝国憲法
成立過程/オスマン憲法の概要(オスマン国家の体制と諸権利の保障 行政 国会 元老院 庶民院 裁判 大審院 財政 地方行政組織 付属条項)

2 国会の開催
国会の招集/最初の国会の開会

3 オスマン=ロシア戦争(九三年戦争)
九三年戦争/議会(第二期国会)の閉鎖/ベルリン会議

Ⅳ アブドュルハミド二世の専制政治
1 専制政治の開始
概観/ユルドゥズ宮殿/ユルドゥズ宮殿の内廷/スルタン府(マーベイン)の構造(マーベイン長官 マーベインジ 書記官長・書記官局 軍事評議会・軍事委員会 スルタン府参謀部 スルタン直轄情報局 デルヴィシュ・パシャ部局 カムプホフネル・パシャ部局 カラトドリ・パシャ部局 ニシャン・エフェンディ部局 マーベイン翻訳局)/ユルドゥズ宮殿の警備/スルタン財務庫

2 国際関係の諸問題・辺境地帯と少数民族
フランスのチュニジア併合/イギリスのエジプト支配確立/ドイツへの接近/クレタ問題/オスマン=ギリシア戦争/アルメニア問題/ユダヤ教徒とシオニズム問題/均衡政策(オーストリア・ハンガリー二重帝国〈ハプスブルク家〉 ロシア フランス イギリス)/エルトゥルル号の日本派遣/ヒジャズ鉄道(アブドュルハミド二世のアラブ地域政策とイギリス アブドュルハミド二世と鉄道 ヒジャズ鉄道の構想 ヒジャズ鉄道建設の提案 アフメト・イゼット・パシャの提案 イギリスの妨害工作 建設工事 効果 その後のヒジャズ鉄道)

Ⅴ アブドュルハミド二世治世末期
1 青年トルコ人運動
概観/統一と進歩委員会/統一と進歩委員会の海外活動/マフムト・ジェラレッディン・パシャらによる青年トルコ人運動/青年トルコ人会議/統一と進歩委員会とオスマン自由委員会の合流

2 第二次立憲体制 
憲法の復活/キャミル・パシャ内閣/ブルガリアの独立/キャミル・パシャ内閣の混迷/国会(元老院・庶民院)の開催/ヒュセイン・ヒルミ・パシャ内閣/諸政党・勢力の活動/統一と進歩委員会創始者や青年トルコ人の位置

3 三・三一事件
下士官・兵士の反乱/政府の対応/行動軍 

終章 アブドュルハミド二世の廃位とその後
国民議会によるあわただしい廃位/サロニカ幽閉/イスタンブルへの帰還/ベイレルベイ宮殿での幽閉/崩御

年  譜
参考文献
さくいん