一般書籍

田沼意次 その虚実

新・人と歴史 拡大版 35

著者・編者 後藤 一朗
判型 四六判
ページ数 224ページ
定価(税込) 1,980円
ISBNコード 978-4-389-44135-7
発行年月日 2019/03/13

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内容紹介

田沼意次には、"賄賂政治家"というレッテルがはられている。しかし、それは反対政権の残した史料と先学の評価を無批判に受け入れた非科学的な虚像にすぎない。
この田沼の冤罪を雪ぐことに情熱を燃やす著者は、史料と史料批判のうえに立って、悪人田沼像を否定し、新たな像を呈示する。
そのとき、これまで悪人田沼の陰謀を軸に構成されてきたこの時代は、従来とはまったく異なった様相をおびてあらわれてくる。
本書は、田沼から松平定信へ、それに続く定信の失脚という一連の政権交代の真相を"徳川家お家騒動=一橋幕府説"として大胆に論証した衝撃の書である。

目次(内容と構成)

序文
Ⅰ 田沼意次の人間像
  田沼意知の危禍
   殿中の刃傷/世間の見る目/私怨説/公憤説
  意次の生い立ち
田沼家先祖/父母/少年期/修学/勤仕ぶり/将軍家治/
側用人・老中/門前市をなす/遺書
Ⅱ 田沼政治の母胎
吉宗時代とその前後
金銀の海外流出/享保改革/米将軍/庶民生活の変貌/
尊王運動の初声
田沼時代の社会相
儒学/国学/和歌/俳諧/日本画/版画浮世絵/洋画/
地方明君/相撲/天変地異
Ⅲ 田沼政治の全貌
田沼の経済政策
貿易/通貨/物価/殖産興業政策/金融
田沼の社会政策
池沼干拓と運河開鑿/大衆娯楽場/北海道開拓
田沼の文化政策
平賀源内/『解体新書』/蘭学
田沼の対外政策
田沼の開国思想と大船建造計画/『赤蝦夷風説考』/北辺調査団
田沼の相良藩政
相良の地/所領地/相良城/藩政の跡/派手な収城使/惨めな最期
Ⅳ 政変の裏表
喬木風多し
虚説の氾濫/賄賂の問屋/進物の実態
政変ついに来たる
将軍家治の死/田沼の失脚/田沼罪案二十六か条/
松平定信の意見書/意次の上奏文/定信の老中就任
反対政権の施政
寛政改革/人事の粛正/自己宣伝/崩れゆく政策/
露使ラクスマン/定信の解任/両政権の功罪
田沼失脚の真因
政変の裏面探索/徳川家お家騒動/将軍を毒殺か/
一橋の天下/実は一橋幕府
余燼
悲劇の連続/四男意正
あとがき
田沼家系図
田沼意次年譜
参考にした文献・史料
さくいん