内容紹介
レヴィ=ストロースは,文化人類学者という名称では包みきれない幅の広い,きわめて独創的な学者である。その影響は人類学にとどまらず,文学・神話・古代哲学・神学・芸術などの研究にたずさわる人々の中に興奮の渦を巻き起こした。レヴィ=ストロースの構造主義の方法が他の人文・社会科学に適用されることから,文学・言語学・神話学・経済学・社会学・人類学など学問間の壁をこわしてしまったとも言われている。構造主義とは何か,現代文明とどのような関わりがあるのかを探る。
目次(内容と構成)
まえがき
Ⅰ レヴィ=ストロースの人と業績
Ⅱ レヴィ=ストロースと『親族の基本構造』
インセント・タブーと交換
婚姻規則の問題
『親族の基本構造』の構造主義
Ⅲ 神話の研究
神話の分析方法
神話の三つの方法――対立、変換、媒介
神話は何のためにあるのか
Ⅳ 野生の思考と構造主義
文化相対主義
トーテミズム
普遍的な<人間精神>
構造主義の影響
あとがき
年譜
参考文献
さくいん