内容紹介
ケインズは,生涯をかけて人間の幸福を追求するとともに,すべての人が幸福を実感しうる社会を作ろうと政治・経済・芸術などの広い分野で全精神を傾けた。彼による経済理論の革新とそれに基づく新しい経済政策の唱導がなかったら,福祉国家の実現のために世界はもっと多難で遅々とした歩みを経験したに違いない。第二次世界大戦後,「ケインズ時代」と呼ばれる一時期があったが,時代環境の異なる今日のわれわれは,現代の眼で彼の業績を再評価し,その正当な遺産を正しく受け継ぐ必要があろう。
目次(内容と構成)
はじめに
Ⅰ 知的雰囲気の中で
ハーヴェイ-ロードの既定観念
新思想の摂取
社会的活動のはじまり
Ⅱ イギリス経済の再建にむけて
新時代への出発
金本位制度をめぐる戦い
多彩な生活と活動
Ⅲ 世界恐慌と経済学の革新
世界恐慌の衝撃
新しい経済学の誕生
ケインズの資本主義観
Ⅳ 諸国民の協調と繁栄を求めて
戦争経済への道
戦後国際経済の再建にむけて
あとがき
年賦
参考文献
さくいん