内容紹介
第二次世界大戦がドイツの敗北で終わる一カ月前に絞首台で三九歳の生涯を閉じたプロテスタントの牧師ボンヘッファー。彼はなぜ処刑されたのか。ナチスの暴虐に抵抗して反ヒトラー陰謀に加担し,ヒトラー暗殺計画の一員となったからである。わずか二一歳で神学博士となった天才的神学者,ガンジーを尊敬する平和主義者の彼が,いったいどうして「ヒトラー暗殺」を考えるようになったのか。この謎に挑み,その内面の苦闘を彼自身の言葉によって跡づける。戦後のキリスト教,さらに思想界に与えた衝撃を,その源泉に遡って解明する。
目次(内容と構成)
序 ボンヘッファーとは何者か
Ⅰ 牧師が暗殺計画に加わるまで
衝撃的な問題
「キリスト者」としてのボンヘッファー
「同時代人」としてのボンヘッファー
国防軍情報部に入ったボンヘッファー
ボンヘッファーの逮捕と獄中生活
Ⅱ ディートリッヒ=ボンヘッファーをめぐる人々
家族
神学上の師
告白教会の仲間たち
婚約者 マリア
Ⅲ ボンヘッファーが残した思想的インパクト
『倫理』
『獄中書簡集』における新しい思想
エピローグ
あとがき
年譜
主要参考文献
さくいん