内容紹介
ヘッセは浪漫的作家として知られるが,第一次世界大戦に際しては,戦争反対の新聞声明を出し,ドイツ国内から売国奴と罵られる。戦争の悲惨と残酷さを身にしみて感じて,深い内省の中で,ヨーロッパ文化の衰退を予感した。その救いを東洋の英知に求め,名作『シッダルタ』を書く一方,第二次世界大戦を予感して『荒野の狼』を書く。晩年の大作『ガラス玉遊戯』は二〇世紀最高の傑作と称えられる。世界の思想的危機の際,人々はいつも「西欧の賢人」ヘッセに立ち返るのである。
目次(内容と構成)
まえがき
Ⅰ 早熟な少年
ヘッゼの家系
幼年時代
学校との闘い
混乱と模索
Ⅱ 甘美な青春作家
作家としての出発と成功
幸福な日々
第一次大戦の勃発
新たなる覚醒
Ⅲ 西欧の賢者
内面への道
現実と理想の狭間で
第二次世界大戦と困窮の日々
円熟と晩年
あとがき
年譜
参考文献
さくいん