内容紹介
D.H.ロレンスは,わが国では『チャタレー夫人の恋人』の作者としては知られているが,その生涯や思想について十分に知られているとは言えない。ややもすれば,「わいせつ」な作家として偏見をもって見られがちであり,その意図したことは正しく理解されていない。本書では,その思想がどのようなものであり,それがどのようにして形成されてきたかを,できるだけわかりやすいことばで述べてみた。現代文明を批判し,人間はいかに生きるべきかを真剣に考えた,ロレンスの姿を広く知っていただければ幸いである。
目次(内容と構成)
まえがき
Ⅰ D・H・ロレンスの生涯
一 ロレンスの生きた時代
二 生い立ち
三 作家としての出発
四 新しい女性との出会い
五 大戦の渦中で
六 地霊を求める旅
七 ヨーロッパに戻って
Ⅱ D・H・ロレンスの思想
一 生命主義
二 キリスト教批判
三 性の浄化
四 社会体制批判
五 ヨーロッパ文明を越えて
六 人間は万物の尺度ではない
年譜
参考文献
さくいん