内容紹介
ボーヴォワールにあって,その天与の才能として最も際だっているものは,幸福への才能である。彼女は述べている。「私は一生のうちで,自分ほど幸福に対する才能に恵まれた人間に会ったことはないし,また私ほど頑強にしゃにむに幸福に向かって突進していった人間を知らない。……もし人が栄光を私に差し出してくれたとしても,それが幸福に対する喪であったなら,私は栄光を拒否しただろう」と。女性という不利な条件の下で,まじめと頑固に裏打ちされた彼女の幸福へのがむしゃらな突進を,彼女の自伝は克明に語っている。
目次(内容と構成)
まえがき
Ⅰ ボーヴォワールの生涯
娘時代
教師時代
作家・思想家の時代
Ⅱ ボーヴォワールの思想
思想の特徴
自由論
他人論
Ⅲ ボーヴォワールの主要著作
『第二の性』
(1) 女はこうしてつくられる
(2) 女はどう生きるか
(3) 女の歴史と運命
(4) 女の神話
『老い』
(1) 外部からの視点
(2) 内部からの視点
あとがき
年譜
参考文献
さくいん