内容紹介
ゲーテが六歳のとき,ポルトガルの首都リスボンに大地震が起き,六万もの命があっという間に奪われた。この大事件は少年ゲーテに大きなショックを与えた。この強い印象に抵抗して立ち直ろうとしたが,とてもできなかった。ゲーテは深い敬虔な心情をもっていた。だが,,彼が狭苦しい宗教心に縛られることなく,闇と光の間につまずきながら,崇高なものを求めるようになったのは,少年時代のこの体験に基づいている。彼の文学や思想が世界の人々から広く愛される大きな理由の一つは,この人間的な豊かさのためである。
目次(内容と構成)
はじめに
Ⅰ 時空を越えて
ゲーテはなぜ永遠に読まれるか
Ⅱ 疾風怒涛の時代に
若き日のゲーテ
作家として、大臣として
Ⅲ 孤独の世界で
イタリア旅行とフランス革命
晩年のゲーテ
Ⅳ 日本におけるゲーテ
ゲーテと日本文壇
東京ゲーテ記念館
あとがき
年譜
参考文献
さくいん