内容紹介
パウロは原始キリスト教史上最初で最大の神学者・伝道者であった。パウロの著作は新約聖書の約2割を占め,後代への影響も大きく,パウロを除外してキリスト教を語ることはできないほどである。パウロは十字架につけられて死に,復活したイエス・キリストへの信仰を求める。パウロの宣教と神学は,歴史的な意味は大きくても,現代の私たちにはなじみがたい。しかしその外殻を破ってみれば,パウロは私たちにのっぴきならぬ問いを突きつけているのだ。
目次(内容と構成)
はじめに
Ⅰ パウロの生涯
生まれと育ち
キリスト教迫害
回心
第一回伝道旅行と使徒会議
第二回伝道旅行
第三回伝道旅行
ローマへ
Ⅱ パウロ神学の基礎概念
パウロの問いかけ
超越者
エゴイズム
律法
福音
信仰による義認
Ⅲ パウロ神学の構造と中心問題
律法主義(倫理)から宗教へ
律法主義の本質と克服
キリストと人間
「キリストのからだ」としての教会
パウロ神学の二重構造
むすび
おわりに――パウロと私――
史料と参考文献について
年表
さくいん