内容紹介
現代ドイツ最大の歴史家マイネッケは,九一年にわたる生涯において,ビスマルク第二帝国の建設と終焉,ヒトラー第三帝国の崩壊という歴史的変動を身をもって体験し,これを自己の研究に刻印づけた。その意味で彼の苦渋に満ちながらも輝かしい業績は,ドイツ近代100年の象徴とも言えるであろう。「政治」と「歴史」を座標軸として展開したマイネッケ史学は,枝葉末節を事としがちな現代歴史学について改めて反省を促した。彼の悪戦苦闘はわれわれを深く感動させずにはおかない。
目次(内容と構成)
まえがき
Ⅰ 遠い道
歴史への志向
シュトラスブルクからベルリンへ
ナチスとのたたかい
Ⅱ 師、友、そして論敵
回想の師
或る友情
論争
Ⅲ 政治と歴史
近代ヨーロッパ精神史の座標
Ⅳ 政治の基礎づけ
国民国家
クラートスとエートス
ヒトラー主義の告発
Ⅴ 歴史の基礎づけ
「個と普遍」・「自由と必然」
価値と因果
個性と発展
年譜
参考文献
さくいん