内容紹介
世界初の市民革命である「ピューリタン革命」の真っ只中にあって,新しい近代国家や近代社会の理論を構築した「近代国家論の祖」トマス・ホッブス。人間の「生命の尊重」に最高価値を置く「自由・平等・平和」を実現する国家・社会・人間論を体系化し,全人類が民主主義の精神を理解できるようにした。その意味ではロックもルソーもマルクスも正当な「ホッブスの子」である。ホッブスの思想は,現代の「不安な時代」に生きる私たちが,「いかに生きるべきか」「何をなすべきか」について,もっとも貴重な教訓を与えてくれている。
目次(内容と構成)
はじめに ――近代国家論の祖ホッブズ
Ⅰ ホッブズに先行した時代と思想
近代国家の特色 ――「一つの権力」「一つの法」
ホッブズ解釈の困難性・複雑性
イギリス伝統の政治思想
一七世紀後半の「憲法闘争」と政治思想
Ⅱ ホッブズの生涯
大学卒業まで
修業時代
亡命時代
帰国から死まで
Ⅲ ホッブズの思想体系
ホッブズ思想の中核 ――政治思想
ホッブズの「人間論」
ホッブズの「主権論」
ホッブズの「宗教論」
ホッブズ思想の影響力
おわりに
年譜
参考文献
さくいん