内容紹介
日本の近代は,「東洋」と「西洋」の出会いから始まった。以後,この二つの世界は,私たちの歴史を織りなすたていととよこいとである。そのことを,象山は,いかにも象山らしく「東洋の道徳,西洋の芸術」ということばで喝破した。この言葉は,今日もなお新しい意味をもって,日本の近代を考える私たちに迫ってくる。
目次(内容と構成)
はじめに
Ⅰ 儒学者を目指して
合理的精神の醸成
傲岸なる儒学者
Ⅱ 「西洋芸術」の探究
彼を知り己を知る
「西洋芸術の」応用
予言の成就
Ⅲ 政治の中の思想
開国
志士、吉田松陰
幕府権威の失墜
Ⅳ 「東洋道徳」の実践
落日への道
大命
時の痛み