内容紹介
詩歌壇の巨匠として五十八歳で永眠するまでの北原白秋の生涯は、まさに詩業一路の歩みであった。それは明治大正昭和にわたってたゆみなく進められ、しばしば画期的な作風を樹立したのである。絶えず新しい境地を求めて躍動する豊饒で健康な生命力こそ、彼の詩業の根本的な特色である。そして、この力は童心や郷土性や古典文芸など、素朴で永遠的なものが源泉とされている点で、決して枯渇することはない。多様と統一、流行と不易、そこに白秋の詩業の魅力がある。
目次(内容と構成)
第一編 北原白秋の生涯
郷土
上京
青春
遍歴
拡充
豊熟
第二編 作品と解説
白秋文学の特色
象徴詩の新領域
柳河と東京
日光と落葉松
総合的詩境
白秋短歌の輪郭
年譜
参考文献
さくいん